えがおとどけスタッフの藤原です。
Fukushima Kizuna project(以下、FKP)を運営している中島様の取り計らいで、
わたしの妻とえがおとどけ副代表の黒田の計3名にて、支援活動に参加させていただきました。
7月9日10日の2日間の支援イベントだったのですが、こちらのメンバの都合で10日の日曜日だけの参加となりました。
日帰りで支援活動に加われたというのは今後支援活動を行いたいと考えている方の良い材料になるのかなと思います。
また、今回参加中に、三陸沖を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生し、津波注意報が発令されました。「余震は何度もあるが、津波注意報は久しぶり」と現地の方がおっしゃっておりました。
福島県の久ノ浜という海岸沿いの町での活動だったのですぐに避難勧告が役場の放送や消防署の呼びかけで行われておりました。
9時から作業を開始して1時間後くらいに一旦休憩をはさんだところに、津波注意報の情報が入ってきて、現場は一時騒然となりましたがすぐに冷静に高台に避難ということになりました。
地震にはまったく気がつかなかったです。
避難場所はバイパスにさしかかる道路の坂道となっている中腹で海がよく見える位置でした。
皮肉にも海岸沿いにはひっくりかえった車がそのままだったり、目の前の幼稚園の一階部分が3/11の津波被害でめちゃくちゃになっているのが現場をより冷静にさせていた気がしました。
震災が発生して4ヶ月たった今もまだまだそういう状況が続いていることを痛感しました。
幸いにもこのときの津波注意報は正午前くらいに解除され、なにごともありませんでした。
(当日の地震を知らせるニュース)
出発~現地
朝の4時に東京の三鷹駅を出発しました。大泉インターから乗り、三郷で常磐自動車道に乗り換え、いわき四倉で高速を降りました。
時間的には約4時間かかりましたが、出発時刻が早いため混雑することもなくスムーズに目的地近くまで行くことができました。
天気もよかったので爽快でした。
途中送電線が気になりました。
災害時通行止めという珍しい表示
高速代金は
高速.jpによると、
往路
経路 | 高速料金 |
---|---|
大泉から三郷へ(普通車) | 950円 |
三郷からいわき四倉へ(普通車) | 4600円 |
帰路
経路 | 高速料金 |
---|---|
いわき四倉から三郷へ(普通車) | 4600円 |
三郷から大泉へ(普通車) | 1200円 |
となり、合計で11350円となりますが、事前に申請することにより、被災地支援目的の高速道路の利用料金は無料にすることができました。
お手続きをしていただきましたFKPの安田様、渡邊様に感謝いたします。
町の状況観察
到着して集合時間まで少し時間が空いていたので、町の状況を観察しました。
手付かずの半壊家屋が残っているのは所有者からの許可が下りてない、取れない家屋だとのことでした。
許可が取れてないために道路にはみ出た家屋もありました。
行政はまったく来ていないということでボランティア団体だけで瓦礫撤去活動がなされている状況とのことでした。
言葉に表すことのできない町並みとはうらはらに海がきれいだったのが印象的でした。
集合
集合場所の諏訪神社(社務所)とその向かい側の花が描かれた家屋
(さしずめフラワーハウスでしょうか^^)
長靴とゴム手袋はこちらでお借りしました。それ以外のマスクやタオルは持参したものです。ドリンクは配布されてましたが、塩飴は気づいた方がみなさんに分けてました。日焼け・熱中症対策は各自自前で行われており、わたし個人的に悔やまれるのが、日焼け止めクリームを持ってきておきながらはじめ塗るのを忘れており、腕が真っ赤っかになってしまいました。今もうんうん苦しいので絶対にリベンジして、次こそは快適な支援活動をやり遂げたいです。反省。
作業開始
実際の作業は、半壊家屋で所有者の許可をいただいた家屋に対して、解体業者さんが作業できるように、家屋の中から土砂や壊れた家具などを家屋の外に運び出し、分別して袋に分ける作業となります。
淡々と書いてしまいましたが、住んでいた方の思い出の品や、津波の威力を感じさせるひしゃげたサッシ枠、床下まで飛び散ったガラスの破片などを目の当たりにしながらの作業はとても複雑な心境でした。
それでも前に進まなければとの思いで、団体作業にいそしみます。
20人一組でひとつの家屋にとりかかりますが、
1時間~2時間で解体業者さんに引き渡せる状態になります。
日曜日のこの日は、久ノ浜全体で60人ほどの支援者があつまったので3チームに分かれて行動しました。前日の土曜日には100人ほど集まったので大変はかどったそうです。それでもまだまだ終わりが見えない町の状況にマンパワーを集めなくてはいけないなと感じました。マンパワーだけではなく、チームを率いる経験者が多く必要になることでしょう。ボランティア団体の中にはすでに初めての方はお断りしているところもあるとのことでした。
津波注意報
一つ目の家屋に差し掛かって1時間経過したところで一旦休憩しましょうということになったのですが、その矢先に道路の向こうから津波注意報が出たとの知らせが聞こえました。まさか揺れてないのに津波だけ来るなんてことがあるだろうかと思っていたら作業中に階段で作業していた方が揺れを感じていたらしく、自分はFacebookで確認したところテレビで注意報を呼びかけていることを知りました。ふと目をやると海岸が見えているこの場所で津波注意報を受けてどうしたものかと思ったら、地元の方は冷静で、すぐ近くのバイパスを登れば高台に避難できることを全員に呼びかけ、作業は一時中断して、バイパスを登ることになりました。海岸線を見ても特に異変はありません。注意報を受けたらどう行動しなければならないというのは3/11の映像を数多く見ていたので知っていたつもりでした。しかし、災害地で感じる不安感はその当たり前の行動を取る方向には作用しないのだなと実感しました。
地震発生直後の久ノ浜海岸の様子(2011年7月10日午前10時ごろ)
※こういう状況で動画を撮影するのはどうかと思いましたが、避難中で安全確保ができていたので、状況を伝える目的で動画を撮影しました。 この間、Facebookの友達からの「逃げてー」の呼びかけは安心できました。自分は安全な場所にいることを書き込み、少し心配かけすぎたかなと今になって思います。 2時間経過してバイパスの裏側から歩いて社務所に戻るルートは津波の恐れはないだろうということで、メンバ全員移動することになりました。その矢先に津波注意報が解除されました。解除はされたけどそのまま社務所に戻ることになりました。
津波注意報解除
戻ると地元の方のお出迎えがあり「大変だったね~わたしらこういう所に住んでいるんですよ」という声かけにまだまだ安心できる状況ではないことを体感しました。 しし鍋とスイカの差し入れをいただいたりして、炎天下の中の避難で疲れた体が癒されます。
そして、みんなで一緒にお弁当をいただきました。
フラワーハウス
芸大在学中の2名の方がフラワーハウスに花を追加しているところでした。 地域活性のために町に彩りを追加することで、暗い気分を明るくする目的と防犯対策の一環でもあるそうです。
こういった形の支援もまだまだたくさん必要だと感じました。 諏訪神社の神主さんが発案者ということで、ひまわりなどの生花を植えることも考えたそうですが、福島ということで放射能測定の対象物を増やしてしまうことになり、結果としてまた伐採されてしまうため、それでは絵ならば良いだろうということではじめたそうです。
最終的には国道沿いの壁面に花を描きたいとのことでした。こういったノウハウをお持ちの方がいらっしゃいましたらぜひ情報をお寄せいただきたいです。
次の現場
次の現場は所有者さんがとなりに住んでおり、庭の物置(おそらく、かつて住んでいた家屋で、となりに新居を建てて住まわれているが被害が物置だけで済んだケース)で、所有者の方に立ち会っていただいた物件でした。
子供向けの人形やお絵かき帳が出るたびに所有者さんに確認するスタッフもいました。
この作業の途中とても体が熱いのを感じ熱中症じゃないかと疑いましたが冷えピタをいただき休み休み作業しました。これを2日間やっている人もいると思うと倒れられません。かといって無理はいけません。自分のペースを守り、休憩をはさみながら意識したのは最後の最後にもう終わりだねムードが出てくるので手が余ってきます。そのタイミングでまだ作業している人のフォローにまわることを心がけました。完全に終わったとき、所有者の方の深々と下げたお辞儀がとても印象的でした。
負けないくらいお辞儀を返しました。
最後に記念撮影
今日の作業は終わりということで社務所へ戻る途中もまだ終わっていない現実がそこにはありました。
撮りながら歩いていると地元のおばあさんたちが「ありがとう」と神妙に言うのでこちら側スタッフも「(作業させてくれて)ありがとう」と返すのでした。非常に感慨深い帰りのあいさつでした。
最後に
瓦礫撤去作業は力仕事なので男性だけなのかと思いましたが、女性も積極的に参加していました。 年齢層もわたし(36歳)よりも少し若い人たちが多く来ていたのが印象的でした。中には大学4年生もいました。
全体的な感想として、積極的に支援活動を希望する人たちが集まったイベントだったなと思いました。 今回えがおとどけから3名で参加させていただきましたが、3人が3人ともまた来たいと声をそろえて言えちゃうほど充実した時を過ごしました。
ブログや写真だけでは伝えられない、実際に現地に行かないとわからない部分も多々ありました。 このブログを読んでいただくことで現地に興味を持ってもらい、支援活動により一層支援者が集まることを願います。 これほどの活動をスムーズに楽しく取り組んでいらっしゃるFKPのみなさまにはたいへん感謝いたします。 次回のイベントも企画しているそうなので、えがおとどけからもさらに人数を増やして参加させていただければと考えています。
参考URL:
今回のFacebookイベントページ FKP@久ノ浜~四ツ倉 / お掃除&道の駅イベント応援見学
次回のFacebookイベントページ FKP@久ノ浜 / 花火イベントのお手伝い&瓦礫のお掃除
追記:一緒に参加した妻にFacebookノートへレポートを書いてもらいました。 福島ボランティア1