ふじけんです。
8月27日(土)に福島県久ノ浜にて、奉奠祭花火大会というお祭りが企画され、Fukushima Kizuna Project(以下FKP)として、イベントスタッフで参加しました。
奉奠祭(ほうてんさい)の奉奠とは、神道の言葉で「つつしんで供え、奉納する」ことだそうです。
このイベントの構成は、音楽ライブ、慰霊祭、よさこい踊り、じゃんがら念仏踊り、花火大会、そして屋台ブースと、まさに地域活性を目指したお祭りです。
ここが久ノ浜です
より大きな地図で 福島第一・第二原発からの距離帯(福島原発避難・屋内待機域) を表示
被災地の中でも原発から南にぎりぎり30kmの場所。これより北はいわゆる屋内待機域であり、国が旗を降って復興活動を行う場所で、一般人は入ることはできません。
JR常磐線もこの久ノ浜駅までが一般乗車できる終点となっています。
バスで現地入り
朝6時に集合して乗り込んだバスは大型でした。
バスに揺られて約3時間。到着するといつもとは違った景色でした。
レトロ調な看板と再開。
前回、前々回と来た時は、さら地や瓦礫の山で殺風景でまさに被災地な情景でしたが、準備中の屋台が並び、特設ステージが設置されており、トラックから忙しく荷物を運ぶスタッフや、演者さんのリハーサルの風景で見違えたようでした。
FKPだって負けてられません!いつもは20人から多くても40人くらいでしょうか。この日のために調整してきた人数58名!(だいたい)バスを降りるなりすぐに本部で全体打ち合わせにかけつけました。
本部からの注意事項は怪我、事故の無いように、この一点に尽きますとのことで、一丸となってこのイベントを盛り立てようとするエネルギーがわいてきます。
特に会場はまだ瓦礫撤去中のエリアを臨時で会場にするわけですから、まだガラス片や壁材や瓦が細かく落ちていたりするのです。子どもが走って転んで怪我をしないように、ごみ袋を片手に掃除してまわります。
しばらくしたらブース組と会場組にチーム分けして、それぞれの持ち場が決まっていきます。
今回手製のガレハナTシャツを身にまとい、ほかの団体と区別がつくようにFKP用のビブス(ベスト状のメッシュジャケット)を着用して会場を担当します。
各チームの班長はインカムをつけて、別の団体さんのリーダーと課題を共有したり会場全体の状況を把握します。
かくして、イベント開始の時刻がせまってきました。
お祭り当日の天気
高速を走行中には雨が降ってましたが、会場に着くころにはやんでおり、夕方までにはすっかり晴れて花火日和となりました。ただ波がいつもより強い感じがしたので心配でしたが、花火の時には煙が流れるいい風でした。
11時ごろ
15時ごろ
波の様子
FKPのブース
・光るおもちゃとヨーヨー釣り
ゆかたを着た女の子は光るリボンを、半ズボンの男の子は光る刀をみんな買ってくれました。
・ガレハナストラップ
真鍮製のプレートに好きな文字列をその場で刻印できて、思い出のストラップが作れるコーナーです。金属造形、アートグラスを中心に活動中の若林さんによる企画です。
・ガレハナアート体験コーナー
こちら美大生が発案したガレハナプロジェクトから、実際にパネルに描く体験ができるコーナー。
・スタンプラリーと風船
町にちらばるガレハナアートを散策しながらスタンプラリー形式でまわることができるコーナー。
スタンプがたまるとお菓子のプレゼント。お菓子が終わったら腕に着ける光るリングアクセサリーをプレゼント。一番反響のあるコーナーだったのではないでしょうか。地元の子どもたちは自転車で数分で帰ってきたり、サラリーマン風のスーツの方も律儀に回ってスタンプを集めていただきました。アートをみるかたわらでまだ撤去の進んでいない状況もアピールできるという狙いもあったとか。この企画はお祭りだけでなく恒常的なイベントとして設置する案もあるのだとか。
・光と音のサイエンスショー
少し荒いですが動画です。子供たちは食い入るように説明を聞いてました。
あとから実験の内容を聞くと大人でも関心する内容で、なるほど教員を目指す現役大学生五十嵐さんの専攻である物理学の最先端を披露してくれたのでした。
・Tシャツ作り体験コーナー
さっそく着てくれた男の子。会場で聞こえた声は「Tシャツが500円って安すぎ!」。
ステージを使った催し
ちょうどよさこい踊りのときに休憩だったので写真に納めました。全員であわせるのは今日が久しぶりということでしたが、とても息があってました。↓4枚目の写真を見ると影まで揃っている!
ほかにも若者向けの音楽も会場中に響きました。
慰霊祭
鎮魂の儀式がしめやかに行われ、会場全員で黙祷をささげました。
FKP以外のブースもすごい
海外からの応援メッセージも掲示されていました。
花火5選
10人の若者の宣言とひとりひとりに向けた花火に、2000発もの花火。全部は撮りきれないし、花火って撮影するの難しいですね。
花火の選択は北いわき再生発展プロジェクトのモトヤンさんによるとのこと。
(元ヤンキーではありません)
少し荒いですが雰囲気をお楽しみください。
あとがき
今回撮影した写真の数は178枚。とても一回では紹介しきれませんでした。
少しでも被災地で祭りを起こそうと思った人がいて、短期間で実現に走り回り、自分たちの成功に酔うことなく継続して活動を誓った祭りが今年あったことをお伝えできればと思いブログに書かせていただきました。
花火はよく儚いとか、開くときれいだけど一瞬とか言いますが、わたしのこころにはくっきりと咲き続けています。
このイベントに全力だした北いわき再生発展プロジェクトの方々、結いの方々、FKPのメンバー、そして久ノ浜が地元で祭りに足を運んでくれたお客さんすべての人の思いが結集したすばらしいお祭りでした。
大好きだ久ノ浜!!!
■参考リンク
アトリエ ビザビ
ガレハナストラップ立案者の若林さんプロフィール
■関連リンク
奉奠祭。
奉奠祭花火大会支援チーム 結(YUI)
東日本大震災:いわき・久之浜で花火大会 鎮魂と再生願い 夜空彩り大歓声 /福島(毎日新聞) - Yahoo!ニュース